会社が辞めさせてくれないときの対処引き止めの断り方と、法律上のルール
「後任が見つかるまで待って」「今辞めたら損害賠償だ」と言われて辞められない人に向けて、退職に関する法律上のルール(民法627条・628条、労働基準法の違約金の禁止など)と、よくある引き止めへの断り方、それでも辞めさせてもらえないときの相談先と退職代行をまとめます。
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退職を伝えたのに「人が足りないから無理」「後任が来るまで待って」と取り合ってもらえない。強く言ったら「辞めるなら損害賠償を請求する」と言われた。そんなふうに辞めさせてもらえず、困っている人は少なくありません。
マイナビキャリアリサーチLabの調査(2024年)では、退職代行を使った理由の1位が「引き留められた(引き留められそうだ)から」で40.7%でした。このページでは、退職に関する法律上のルールと、引き止めへの対処をまとめます。
退職に会社の許可はいらない
正社員など、期間の定めのない雇用
民法第627条により、労働者はいつでも退職の申入れができ、申入れから2週間がたつと雇用契約は終わります。会社が「認めない」と言っても、退職の効果は生じます。
就業規則に「退職は1か月前までに申し出ること」などの定めがあれば、円満に辞めるために合わせるのが望ましいですが、それを理由に何か月も辞めさせないことはできないと考えられています。
契約社員・派遣社員など、期間の定めのある雇用
契約期間の途中で辞めることは原則としてできませんが、病気、家族の介護、ハラスメントなど「やむを得ない事由」があれば、すぐに契約を解除できます(民法第628条)。また、1年を超える契約期間の場合は、契約の初日から1年がたった後なら、いつでも退職できます(労働基準法第137条。高度な専門職などを除く)。
よくある引き止めと、その答え方
「後任が見つかるまで待ってほしい」
人員の補充や引き継ぎの体制を整えるのは会社の責任です。「〇月〇日で退職します。それまでに引き継ぎ資料を作成します」と、退職日を動かさずに協力できる範囲を伝えましょう。
「今辞められたら困る。損害賠償を請求する」
労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることを禁止しています。また、法律の手続きに沿って退職しただけで損害賠償が認められることは、通常ありません。脅しのように言われたら、日時と発言内容を記録しておきましょう。
「給料を上げるから残ってほしい」
待遇が理由で辞める場合は、迷うこともあるでしょう。ただ、口約束で終わることも多いため、残るなら書面で条件を確認してください。辞めると決めているなら、「ありがたいお話ですが、気持ちは変わりません」とはっきり断ります。
「退職届は受け取れない」
退職届を受け取ってもらえない場合は、内容証明郵便で送れば、退職の意思を伝えた日を記録に残せます。書き方は退職願・退職届・辞表の違いと書き方を参照してください。
「辞めるなら最後の給料は払わない」「有給休暇は使わせない」
働いた分の賃金は、退職する場合でも全額支払われなければなりません(退職時の最後の給料はいつ支払われる?)。有給休暇の取得も労働者の権利で、退職前でも使えます(退職前の有給休暇の消化)。
引き止めがハラスメントに当たる場合
暴言や脅し、無理な仕事の押しつけで退職を思いとどまらせようとする行為は、パワーハラスメントに当たる可能性があります。労働基準法第5条は、暴行・脅迫・監禁などで労働を強制することを禁じています。身の危険を感じる場合は、無理に出社せず、相談窓口や警察に相談してください。
それでも辞めさせてもらえないときの相談先
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 総合労働相談コーナー(都道府県労働局・労働基準監督署) | 無料で相談でき、必要に応じて助言・指導やあっせんにつなげてもらえる |
| 労働基準監督署 | 賃金の未払いなど、労働基準法違反の申告 |
| 退職代行サービス | 本人に代わって退職の意思を伝える。労働組合・弁護士なら条件の交渉も可能 |
| 弁護士 | 損害賠償を請求すると言われた、未払い残業代も請求したいなど、法的な対応が必要なとき |
上司と顔を合わせるのも限界という場合は、退職代行サービスを使うのが早い方法です。会社が強く引き止めることが予想されるなら、交渉ができる労働組合運営か弁護士のサービスを選びましょう(退職代行とは)。
※ここで紹介する退職代行サービスはアフィリエイト広告(PR)です。
退職代行サービス
- 退職代行SARABA:運営元は労働組合(公式サイトの表記)。退職日や有給休暇の消化などを会社と交渉できる。料金は税込24,000円で、追加料金なし(公式サイトの表示)
- 弁護士法人みやびの退職代行:運営元は弁護士。交渉に加えて、未払い残業代の請求や損害賠償を求められたときの対応も任せられる。料金は税込27,500円から(コースにより77,000円まで。残業代などの回収は回収額の20%+税)
料金と対応範囲は2026年10月27日時点の公式サイトの表示です。申し込む前に公式サイトで確認してください。
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まとめ
- 期間の定めのない雇用なら、会社の許可がなくても申入れから2週間で辞められる
- 有期契約でも、やむを得ない事由があれば辞められ、1年を超える契約は1年経過後に辞められる
- 「損害賠償を請求する」「給料を払わない」といった引き止めは、法律上通らないことが多い
- 辞めさせてもらえないときは、総合労働相談コーナーや退職代行サービスを頼る
出典(一次情報)
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の雇用契約・手続き・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容はハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁などの公式サイトや窓口でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。