退職時の最後の給料はいつ支払われる?賃金の支払い原則と7日以内の請求の考え方

退職後の最後の給与や、返還されるべき金品の扱いを、労働基準法第23条(金品の返還・7日以内)と第24条(賃金支払の原則)にもとづいて整理します。支払日が決まっている場合の考え方と請求の流れも紹介します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。当サイトについて
退職時の最後の給料はいつ支払われる?
退職したあと、「最後の給料はいつ、いくら振り込まれるのか」は、意外と分かりにくい点です。給与の支払日が毎月決まっている会社が多い一方で、退職した人には、別のルールが関わってきます。
労働基準法第23条は、労働者が退職した場合に、権利者の請求があったときは、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金など、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと定めています。一方、第24条は、賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うことなどを定めています。ここでは、この二つの条文の関係と、実際の確認の仕方を整理します。
退職時の最後の給料の支払いの基本
条文の要点を整理します。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第23条第1項(金品の返還) | 労働者の死亡または退職の場合に、権利者の請求があったときは、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称にかかわらず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない |
| 第23条第2項 | 賃金や金品について争いがある場合は、使用者は、異議のない部分を、第1項の期間中に支払うか返還しなければならない |
| 第24条第1項(賃金支払の原則) | 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。法令や労使協定などで控除が認められる場合は、一部を控除できる |
| 第24条第2項 | 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない(臨時の賃金や賞与などを除く) |
第23条は「権利者の請求があったとき」に7日以内という扱いです。したがって、退職後に請求をしない場合は、通常の給与の支払日に支払われるのが一般的です。請求した場合の運用は、会社の規程や、個別の事情で異なることがあります。
退職時の最後の給料の支払いの具体例
最後の給与が、どのように支払われるかを、仮の例で整理します。
| 状況(仮) | 一般的な扱い | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 月末に退職し、給与は翌月25日払いの会社 | 退職月分の給与が、翌月25日に支払われる | 就業規則・賃金規程の支払日 |
| 月末に退職し、すぐに生活費が必要 | 退職後に請求すれば、7日以内の支払いを求められる(第23条) | 請求を書面やメールで行い、記録を残す |
| 最後の給与から、社会保険料が控除されている | 控除が認められる範囲かを、明細で確認する(月末退職は2か月分が引かれる場合がある) | 月末退職と社会保険料を参照 |
| 退職金がある | 支払時期は、就業規則・退職金規程による | 就業規則の退職のルールを参照 |
賃金の請求権には時効があります。時効の期間は、労働基準法第115条や関連の規定に定められています。長期間放置せず、早めに請求してください。
最後の給料を受け取る流れ
- 就業規則・賃金規程で、給与の締め日と支払日、退職時の取り扱いを確認します。
- 退職日が決まったら、最後の給与と、控除される項目(社会保険料、住民税など)を、会社に確認します。
- 支払いが遅れている、または生活費に困る場合は、会社に対し、書面かメールで、賃金の支払いを請求します(第23条の7日以内を根拠にできます)。
- 積立金、保証金、貸与した物品の精算など、返還されるべき金品がないかを確認します。
- 最後の給与明細を受け取り、勤務日数、残業代、有給休暇の扱い、控除額を確認します。
- 支払われない場合や、金額に争いがある場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどに相談します。
退職時の最後の給料の支払いの注意点
- 第23条第2項により、金額に争いがある場合でも、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払うか返還しなければならないとされています。
- 賃金は、法令や労使協定で認められた場合を除き、全額を支払う必要があります(第24条)。会社が一方的に、損害賠償などを理由に賃金から差し引くことは、原則として認められません。控除の内容に疑問があれば、確認してください。
- 住民税の扱いは、退職の時期で変わります(退職したときの住民税を参照)。
- 退職金や最後の給与の税金の扱いは、退職金の税金とは|退職所得控除の計算式・2分の1課税・受給に関する申告書の出し方と転職した年の年末調整と確定申告を参考にしてください。
退職時の最後の給料の支払いでよくあるミス
- 最後の給与の支払日を確認せずに、生活費の計画を立てる。
- 請求を口頭だけで済ませ、記録を残さない。
- 給与明細の控除項目を、確認しない。
- 積立金や保証金などの返還の有無を、確認しない。
退職時の最後の給料の支払いのチェックリスト
- 給与の支払日と、最後の給与の見込みを確認したか。
- 控除される項目と金額を、確認したか。
- 請求が必要な場合、書面かメールで行ったか。
- 返還されるべき金品を、確認したか。
- 相談先を、確認したか。
退職時の最後の給料の支払いのFAQ(よくある質問)
Q. 退職後すぐに、最後の給料を払ってもらえますか。
A. 権利者の請求があれば、7日以内に賃金を支払う必要があると、労働基準法第23条に定められています。請求の方法は、書面かメールが確実です。
Q. 会社が給与を払ってくれません。どうすればよいですか。
A. 会社に書面で請求し、それでも払われない場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどに相談できます。
Q. 退職の手続き全体を知りたいです。
A. 退職の手続きの流れで、時系列にまとめています。
筆者の見解(退職時の最後の給料はいつ支払われる?)
最後の給与は、退職後の生活の「つなぎ」になる大切な収入です。私は、退職日が決まった時点で、支払日と金額の見込みを、会社に書面で確認しておくことを勧めます。条文で請求の権利が定められていることを知っておくだけでも、万一のときに落ち着いて対応できると思います。ただし、実際の対応は会社ごとに異なるため、条文は一つの基準として、個別の事情は公的な窓口で相談してください。
退職時の最後の給料の支払いの関連項目
出典(一次情報)
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の雇用契約・手続き・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容はハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁などの公式サイトや窓口でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。

