退職の手続き

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料資格喪失日と2か月分控除の仕組み

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料|資格喪失日と2か月分控除の仕組み

退職日が月末か月の途中かで、健康保険・厚生年金の保険料の負担月数が変わります。資格喪失日の考え方と、給与から2か月分が控除される場合の目安を、日本年金機構の案内にもとづいて整理します。

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月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料とは

「月末に退職すると、最後の給与から社会保険料が2か月分引かれて手取りが少ない」という話を聞いたことがある人もいると思います。これは誤解ではなく、社会保険の資格喪失日と、保険料の数え方に理由があります。

ここでは、日本年金機構の案内にもとづいて、退職日が月末の場合と月の途中の場合で、何が違うのかを整理します。退職日を決める際の判断材料の一つになりますが、保険料の多い少ないだけで決めるのではなく、次の手続きの空白や転職先の入社日も合わせて考える必要があります。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料の基本

日本年金機構の案内では、次のように説明されています。

  • 厚生年金保険の被保険者資格は、退職した日の翌日に喪失します。
  • 保険料は、資格喪失日が属する月の前月分まで納める必要があります。
  • 月の末日に退職した場合は、翌月1日が資格喪失日になるため、退職した月分までの保険料を納める必要があります。
  • 従業員が月の途中で退職した場合は、退職月の前月分の保険料を、退職月の給与から控除できます。月末に退職した場合は、退職月の前月分と退職月分の2か月分を、退職月の給与から控除できます。

健康保険も、同じ考え方で資格喪失日が決まります(保険料の数え方は、加入していた保険者の案内で確認してください)。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料の具体例

厚生年金保険料の負担月数を比べます。標準報酬月額を30万円、厚生年金の本人負担率を9.15%(保険料率18.3%の労使折半)と仮定した例です。料率は変更されることがあるため、最新の値は公式ページで確認してください。

項目 3月15日に退職 3月31日に退職
資格喪失日 3月16日 4月1日
保険料を納める最後の月 2月分(前月分まで) 3月分(退職した月分まで)
3月分の給与から控除される厚生年金保険料(本人負担) 2月分の27,450円 2月分と3月分で54,900円
国民年金・国民健康保険への切り替え(空白がある場合) 3月16日から 4月1日から

月末に退職すると、保険料の負担は1か月分増えますが、その分、厚生年金に加入している期間も1か月長くなります。また、空白期間がある場合、月末退職なら退職した月(例の3月)は厚生年金・健康保険の加入月なので、国民年金保険料や国民健康保険料は翌月(4月)分からかかります。月の途中で退職した場合は、退職した月(3月)の分から、国民年金保険料や国民健康保険料がかかります。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料の実践ステップ

  1. 転職先の入社日を確認します。退職日の翌日に入社するなら、空白期間はなく、保険の切り替えは新しい会社が行います。
  2. 空白期間があるときは、退職日が月末か月の途中かで、健康保険・年金の切り替え日を確認します。
  3. 退職日が月末の場合は、最後の給与から2か月分の保険料が引かれる可能性を、あらかじめ見込んで生活費を計画します。
  4. 月の途中で退職する場合は、国民年金・国民健康保険の保険料が、退職した月の分から発生する点を確認します(保険料は月単位で計算されます)。国民年金の詳細は退職後の国民年金、国民健康保険などは退職後の健康保険にあります。
  5. 給与明細で、実際の控除額を確認します。不明な点は会社の担当者に聞きます。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料の注意点

  • 退職日が月の途中でも月末でも、年金の加入期間・健康保険の資格は、空白なくつながるようにすることが大切です。
  • 「保険料が1か月分少なくて済む」という理由だけで月の途中の退職を選ぶと、国民年金や国民健康保険の保険料が、その月から別に発生する場合があります。全体で比べる必要があります。
  • 有給休暇の消化期間中は、籍が会社に残るため、社会保険は継続します(退職前の有給休暇の消化を参照)。
  • 退職した従業員の保険料の徴収方法は、会社側の取り扱いにも関わります。会社の規程や担当者の説明を確認してください。
  • 保険料率や標準報酬月額は、改定されることがあります。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料でよくあるミス

  • 月末退職の最後の給与で、2か月分が控除されることを知らず、手取りの減少に驚く。
  • 退職日の翌日が資格喪失日であることを知らず、手続きの期限を誤る。
  • 退職日だけで有利不利を判断し、国民年金・国民健康保険の保険料を含めて比べない。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料のチェックリスト

  • 退職日が月末か、月の途中かを、確認したか。
  • 資格喪失日(退職日の翌日)を、確認したか。
  • 最後の給与の控除額を、見込んだか。
  • 空白期間の保険の切り替え日を、確認したか。
  • 転職先の入社日との関係を、確認したか。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料のFAQ(よくある質問)

Q. 月末退職は損ですか。
A. 保険料の負担は1か月分増えますが、その月も厚生年金に加入する期間になります。一方的に損とは言えません。全体で比べてください。

Q. 給与から2か月分が引かれるのは、会社の誤りですか。
A. 日本年金機構の案内では、月末に退職した場合は、前月分と退職月分の2か月分を、退職月の給与から控除できるとされています。

Q. 退職の手続き全体はどこで確認できますか。
A. 退職の手続きの流れにまとめています。

筆者の見解(月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料)

退職日を決める際に、保険料の数え方は、見落とされやすい論点です。ただ、私は、保険料の差だけで退職日を決めるのはお勧めしません。転職先の入社日、有給休暇の消化、国保・国民年金への切り替えなど、前後の手続きとの噛み合わせのほうが、実際の負担に大きく影響すると考えるためです。退職日の候補が複数あるときは、手取りの変化を一度表にしてみることをお勧めします。

月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料の関連項目

出典(一次情報)

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の雇用契約・手続き・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容はハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁などの公式サイトや窓口でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。