就業規則で確認する退職のルール退職に関する事項・退職手当・閲覧の考え方

退職を考えたときに、就業規則のどこを読めばよいかを、労働基準法第89条の記載事項(退職に関する事項、退職手当など)にもとづいて整理します。10人未満の会社や、規則が見当たらないときの確認先も紹介します。
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就業規則で確認する退職のルールとは
退職を考え始めたとき、最初にすることの一つが、就業規則の確認です。「何か月前に伝えるのか」「退職の書式はあるのか」「退職金は出るのか」といった疑問の多くは、就業規則に答えがあります。
労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、就業規則の作成と、行政官庁(労働基準監督署)への届出を義務づけています。そして、就業規則に必ず書くべき事項の中に、「退職に関する事項(解雇の事由を含む)」があります。ここでは、どこを読めばよいかを整理します。
就業規則で確認する退職のルールの基本
第89条にある記載事項の要点は、次のとおりです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 必ず記載する事項 | 始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇/賃金の決定・計算・支払の方法、締切りと支払の時期、昇給/退職に関する事項(解雇の事由を含む) |
| 定める場合に記載する事項 | 退職手当(適用される労働者の範囲、決定・計算・支払の方法、支払の時期)、臨時の賃金、安全衛生、職業訓練、表彰・制裁など |
つまり、退職の手続き(申し出の時期や方法など)と解雇の事由は、就業規則に必ず書かれているはずの項目です。退職金(退職手当)は、定める場合に限り、記載されます。
就業規則の作成や変更の際は、労働者の過半数で組織する労働組合、または過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません(第90条)。就業規則は、法令や労働協約に反してはならないとされています(第92条)。
就業規則で確認する退職のルールの具体例
就業規則で、退職に関して確認する項目を整理します。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 退職の申し出の時期 | 何日前(何か月前)までに申し出ることとされているか |
| 退職の方法 | 退職願・退職届など、書式や提出先の決まり |
| 有給休暇 | 取得の手続き、残日数の扱い |
| 退職手当(退職金) | 支給の条件、勤続年数による違い、支払時期 |
| 解雇の事由 | どのような場合に解雇されるとされているか |
| 競業避止・守秘義務 | 退職後の義務が定められているか(内容と範囲を確認) |
民法第627条第1項は、期間の定めのない雇用では、申入れから2週間で雇用が終了すると定めています。就業規則に、より長い期間(たとえば1か月前)が書かれている場合の扱いは、個別の事情により判断が分かれることがあります(考え方は退職願・退職届・辞表の違いにあります)。
就業規則で確認する退職のルールの実践ステップ
- 会社に就業規則があるか、どこで閲覧できるかを確認します。社内の共有フォルダ、掲示、人事への依頼などの方法があります。
- 退職に関する章(「退職」「解雇」「服務」など)を読み、申し出の時期と方法を確認します。
- 退職手当の規定(退職金規程)がある場合は、支給の条件と、見込み額を確認します(税金は退職金にかかる税金にあります)。
- 有給休暇の規定を確認し、残日数と消化の方針を考えます(退職前の有給休暇の消化を参照)。
- 不明な点は、人事・総務の担当者に聞くか、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどで相談します。
- 確認した内容をメモして、退職日と引き継ぎの日程に反映します。
就業規則で確認する退職のルールの注意点
- 常時使用する労働者が10人未満の会社では、第89条による就業規則の作成・届出の義務がありません。この場合でも、労働契約書や労働条件通知書に、退職に関する事項が書かれているはずです(労働条件通知書を参照)。
- 就業規則が見当たらない、見せてもらえない場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどに相談できます。
- 退職後の競業避止や守秘義務の規定は、内容や範囲によって有効性が判断されます。心配な規定があるときは、専門家に相談してください。
- 就業規則は改定されることがあります。最新の版を確認します。
就業規則で確認する退職のルールでよくあるミス
- 就業規則を読まずに、退職日を決めてしまう。
- 退職金の規定を確認せず、退職の時期を決める(勤続年数による支給額の違いを見落とす)。
- 古い版の就業規則を見て、判断する。
- 10人未満の会社で、規則がないことに気づいて慌てる。
就業規則で確認する退職のルールのチェックリスト
- 就業規則の最新版を、入手したか。
- 退職の申し出の時期と方法を、確認したか。
- 退職手当の規定を、確認したか。
- 有給休暇の規定を、確認したか。
- 不明点の相談先を、決めたか。
就業規則で確認する退職のルールのFAQ(よくある質問)
Q. 就業規則に「1か月前に申し出る」とあれば、必ず従う必要がありますか。
A. 民法の考え方(2週間)との関係は、個別の事情で判断が分かれる場合があります。円満に進めるために、就業規則の期間を目安に引き継ぎを計画するのが一般的です。
Q. 退職金がない会社でも問題ありませんか。
A. 退職手当は、定める場合に限って就業規則に記載する事項とされています。定めがなければ、支給の対象にならないのが一般的です。
Q. 退職の手続き全体を知りたいです。
A. 退職の手続きの流れで、時系列にまとめています。
筆者の見解(就業規則で確認する退職のルール)
就業規則は、読み慣れないと難しく感じますが、退職に関わる部分は、探す章が決まっているので、意外と短時間で確認できます。私は、退職の意思を会社に伝える前に、先に就業規則を読んでおくことを勧めます。会社の決まりを把握しておけば、話し合いで慌てずに済み、退職日や引き継ぎの提案にも根拠を持てます。規程の読み方や有効性で迷うときは、公的な相談窓口を活用してください。
就業規則で確認する退職のルールの関連項目
- 退職願・退職届・辞表の違い
- 退職前の有給休暇の消化
- 退職金にかかる税金
- 労働条件通知書
- 退職の手続きの流れ
出典(一次情報)
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の雇用契約・手続き・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容はハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁などの公式サイトや窓口でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。




