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最低賃金が全国平均1,177円に、発効日は10月1日〜12月2日

最低賃金が全国平均1,177円に、発効日は10月1日〜12月2日

令和8年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,177円、全都道府県で54〜65円の引き上げ。発効日は10月1日から12月2日まで地域で異なります。転職前に確認したい点を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。当サイトについて

ニュースの概要

2026年10月から、全国の地域別最低賃金が順次改定されます。厚生労働省の取りまとめ(答申)によると、改定額の全国加重平均は1,177円(前年度1,121円)で、47都道府県すべてで54円から65円の引き上げです。最高額は1,280円、最低額は1,085円で、最高額に対する最低額の比率は84.8%と、昨年度の83.4%から改善しました。

転職や退職を考えている人にとっては、求人票の時給や月給を比べるときの前提が変わる改定です。この記事では、公表内容と、確認しておきたい点を整理します。

何が変わるのか

  • 引き上げ幅は全都道府県で54円〜65円。厚労省は、56円の上昇(全国加重平均)は目安制度が始まった1978年度以降で2番目の大きさだと説明しています。
  • 全国加重平均は1,121円から1,177円へ。
  • 最高額は1,280円、最低額は1,085円。最高額に対する最低額の比率は12年連続で改善しました。
  • 発効日は都道府県によって異なり、令和8年10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です。答申の後、各労働局での異議申出の手続きを経て、労働局長が決定する流れです。

つまり「10月から一斉に全国で上がる」わけではなく、働く地域によって新しい額が適用される日が違います。同じ10月中でも、発効日を過ぎた県では新しい額、発効前の県では旧額が適用される、といった違いが起こりえます。

読者への影響

最低賃金は、正社員・パート・アルバイトなど雇用形態を問わず、地域内で働くすべての労働者とその使用者に関係します。厚労省の「主な制度変更」でも、対象は全ての労働者とその使用者とされています。

転職活動で見落としやすいのは、次の点です。

  • 求人票の時給が新しい最低賃金を下回っていないか。発効日より前に掲載された求人は、旧額のまま残っていることがあります。
  • 月給制の場合も、基本給を所定労働時間で割った時間額が最低賃金を下回ってはいけません。賃金の構成を確認するときに、時間額への換算が必要です。
  • 勤務地を移す転職では、都道府県ごとに額が違うため、同じ職種でも基準が変わります。

どの手当が最低賃金の計算に含まれるか(含まれない賃金の種類など)は、労働局などの公的窓口で確認できます。個別の判断は断定せず、窓口の案内に従ってください。

目安として、全国加重平均の1,177円で1日8時間働くと、日給は9,416円です。これは地域別最低賃金の考え方を実感するための単純な計算で、実際の額は働く都道府県の最低賃金によって変わります。最高額(1,280円)と最低額(1,085円)では、同じ8時間でも日給の下限に1,560円の差が出る計算になります。

退職後に失業給付を受けながら次の仕事を探す人も、求人の賃金の目安を知っておくと、応募先を選びやすくなります。給付の仕組みについては、公的窓口(ハローワーク)の案内を確認してください。

なお、今回の資料で示されているのは地域別最低賃金で、特定の産業に別に定められる最低賃金などの扱いは含みません。業種によって別の基準が関係する場合は、労働局に確認してください。

確認しておきたいこと

  1. 働く(働く予定の)都道府県の新しい最低賃金額と発効日を、厚労省の「地域別最低賃金の全国一覧」で確認する。
  2. 求人票や労働条件通知書の賃金を、時間額に直して最低賃金と比べる。
  3. 疑問があれば、都道府県労働局や労働基準監督署の窓口に相談する。
  4. 厚労省の同じ資料には、短時間労働者の被用者保険の賃金要件の撤廃も載っています。勤務時間を調整する人は、当サイトの雇用保険に入れる条件と合わせて、加入条件の確認も進めておくと安心です。
  5. 退職時の社会保険の扱いは、月末退職と月の途中の退職で変わる社会保険料で整理しています。

筆者の見解

私見では、最低賃金の改定は「自分の給料が上がるかどうか」だけでなく、「求人の相場感が動く」ニュースとして読むのが役に立つと考えます。全国で54円〜65円の上げ幅が示されると、最低賃金に近い水準の求人は賃金の見直しを迫られ、その少し上の水準の求人との差も縮みます。転職市場でも同様の動きが起こると考えられますが、時給の数字だけで比較すると違いが見えにくくなるため、賞与、手当、勤務時間、社会保険の加入条件まで含めて見る必要があります。

また、発効日が10月1日から12月2日まで幅がある点は見落としやすいと考えます。入社日や契約更新日が発効日をまたぐ人は、契約書の時間額が適用日以降も有効かを確認しておくとよいでしょう。ただし、個別の契約が適法かどうかは事情によって変わるため、断定せず、労働局などの公的窓口に相談してください。

出典

2026年10月7日時点の情報です。

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の雇用契約・手続き・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容はハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁などの公式サイトや窓口でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。