求人票と実際の条件が違うときハローワーク求人ホットラインと即時解除の考え方

求人票と実際の労働条件が違っていたときの相談先(ハローワーク求人ホットライン)と、労働基準法第15条の「即時に労働契約を解除できる」という規定、失業保険での扱いを、公的な資料で整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。当サイトについて
求人票と実際の条件が違うときとは
転職先を決めたのに、入社してみると、求人票や面接で聞いた条件と違っていた。賃金が低い、仕事の内容が違う、正社員と聞いていたのに非正規だった。そのような場合に、泣き寝入りせずに相談できる窓口と、法律上の考え方があります。
ハローワークの案内では、ハローワークやハローワークインターネットサービスで公開・紹介している求人の内容が実際と違っていた場合は、「ハローワーク求人ホットライン」に申し出ると、担当のハローワークが事実を確認のうえ、会社に対して是正指導を行うとされています。ここでは、その内容と、法律の規定を整理します。
求人票と実際の条件が違うときの基本
ハローワークが例として挙げている、「求人票と違う」ケースは次のとおりです。
- 面接に行ったら、求人票より低い賃金を提示された
- 求人票と違う仕事の内容だった
- 正社員と聞いて応募したのに、非正規雇用の形態だった
- 採用の直前に、求人票になかった勤務地を提示された
- 始業の30分前に出社するように言われた
- 「あり」となっていた雇用保険・社会保険に加入していない
- 労働条件の変更について、契約前に説明がなかった
最寄りのハローワークでも相談できると案内されています。
法律の面では、労働基準法第15条が、使用者に、労働契約を結ぶときに賃金、労働時間その他の労働条件を明示する義務を課しています。さらに、明示された労働条件が事実と相違する場合は、労働者は、即時に労働契約を解除できると定めています。その場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷するときは、使用者は必要な旅費を負担しなければなりません。
求人票と実際の条件が違うときの具体例
状況別の、考え方と行動を整理します。
| 状況(仮) | 考え方 | 行動の例 |
|---|---|---|
| 内定後の面談で、求人票より低い賃金を提示された | 入社前の段階。契約はまだ結ばれていない場合が多い | 承諾せず、差の理由を会社に確認する。ハローワークの求人ホットラインに相談する |
| 入社したら、求人票にない勤務地へ配属された | 契約時に明示された内容との相違にあたる可能性がある | 労働条件通知書と求人票を照合し、証拠を残して相談する |
| 雇用保険に「加入あり」と書かれていたが、加入していない | 求人票と実際の相違の例として挙げられている | ハローワークに相談する |
条件の相違の程度や、契約の内容によって、判断は変わります。具体的な対応は、窓口で相談してください。
求人票と実際の条件が違うときの実践ステップ
- 求人票(またはコピー、スクリーンショット)、募集要項、面接のメモを、残しておきます。
- 入社前に、労働条件通知書などの書面を受け取り、求人票と照合します(照合の方法は労働条件通知書にあります)。
- 相違があれば、まず会社の担当者に、書面かメールで、疑問点を伝えます。
- 解決しない場合は、「ハローワーク求人ホットライン」または最寄りのハローワークに相談します。求人の番号が分かるよう、控えを持参します。
- すでに入社している場合は、証拠(給与明細、労働条件通知書、やり取りの記録)を整理します。
- 契約の解除を考える場合は、労働基準法第15条を踏まえて、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどに、事前に相談します。
求人票と実際の条件が違うときの注意点
- 「即時に解除できる」という規定は、あくまで法律上の原則です。実際の判断は、相違の内容や程度によります。独断で出社をやめる前に、公的な窓口に相談することをお勧めします。
- 雇用保険の手続きでは、労働契約の締結時に明示された労働条件が、事実と著しく相違したことによる離職は、特定受給資格者に当たる場合があるとされています(特定受給資格者と特定理由離職者を参照)。離職理由の記載や、裏づけの資料を確認します。
- 求人の内容が実際と違う場合の申し出先は、ハローワークで公開・紹介している求人が対象です。民間の求人媒体の場合は、その媒体の窓口や、労働局の相談窓口を確認します。
- 求人票の見方を事前に理解しておくと、違いに気づきやすくなります(求人票の見方を参照)。
求人票と実際の条件が違うときでよくあるミス
- 求人票や面接の内容を、記録に残さない。
- 労働条件通知書を受け取る前に、入社を決める。
- 相違に気づいても、我慢して様子を見るうちに、時間が経つ。
- 退職した後、離職票の離職理由の確認をしない。
求人票と実際の条件が違うときのチェックリスト
- 求人票のコピーなどを、保存したか。
- 労働条件通知書と、求人票を照合したか。
- 相違の内容を、書面で会社に伝えたか。
- 相談先(ハローワーク、総合労働相談コーナー)を確認したか。
- 離職を考える場合、離職理由の扱いを確認したか。
求人票と実際の条件が違うときのFAQ(よくある質問)
Q. 求人ホットラインに相談すると、会社に自分の名前が伝わりますか。
A. 取り扱いは、相談の内容や、窓口の方針によります。相談の際に、匿名や取り扱いについて、窓口に確認してください。
Q. 入社を決める前に、どんな確認をすればよいですか。
A. 賃金の内訳、勤務地、仕事の内容、雇用形態、社会保険の加入を、書面で確認します。面接の逆質問も参考にしてください。
Q. すぐに辞めた場合、失業保険はもらえますか。
A. 被保険者期間や離職理由によります。失業保険のもらい方と特定受給資格者と特定理由離職者で整理しています。
筆者の見解(求人票と実際の条件が違うとき)
求人票と実際の条件が違うという問題は、入社前に気づければ防げることが多いと感じます。私は、内定後に、労働条件を書面で出してもらい、求人票と並べて照合する作業を、必ずする習慣を勧めます。それでも相違が起きたときのために、証拠を残しておくこと、そして一人で抱えず公的な窓口を使うことが大切です。法律上の権利は、使い方を間違えると自分に不利になることもあるため、相談しながら進めてください。
求人票と実際の条件が違うときの関連項目
出典(一次情報)
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の雇用契約・手続き・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容はハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁などの公式サイトや窓口でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。



